インプラントが気になるけどデメリットはある?
歯を失ってしまった・・・インプラントにしてみたい、でも
・治療費のこと
・手術のこと など、
気になること、不安なことがあるかと思います。
どんな治療にもメリット、デメリットがあります。
ご自身にあった治療を選んでいただくために
「インプラントのデメリット」について説明します。
インプラントのデメリット
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●保険の場合 約1万円〜2万円 |
●自費の場合 約5万円〜15万円 |
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●保険の場合 約5千円〜2万円 |
●自費の場合 約15万円〜80万円 |
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●保険の場合 適用外 |
●自費の場合 約30万円〜50万円 |
※上記はあくまで目安の費用です
インプラントは自費の診療です。
保険適用の入れ歯やブリッジに比べると費用の負担が大きな治療です。
しかし、
- 入れ歯は隣接する歯に金属のバネを掛けてとめるため、
健康な歯に傷がついたり、負担をかけたりします。
バネをかけている歯が虫歯になりやすかったり抜けてしまったりと
時間が経つにつれて、
お口のなか全体の状態が悪くなることが多いことから
3〜5年ぐらいで作り変えの必要がでてきます。 - ブリッジは歯のない部分の両隣の歯を大きく削る必要があります。
すると支えになる歯の負担が増えるため、
健康であったはずの歯の寿命が短くなるおそれがあります。
土台の歯が弱くなりやすいためブリッジの寿命は7〜8年と言われています。
インプラントは
歯がない部分のあごの骨に人口の歯を埋め込み、
周囲の歯に負担をかけない構造であるため、
お口全体の健康状態を保ちやすく
インプラントは10年もつという生存率は90〜96%という
良い成績を残しています。
そしてメンテナンスをきちんとすることで40年以上もったというケースもあります。
保険適用外で他の治療方法と比べると治療費用が高額になりますが
耐久性が高く、健康な歯を守ることができるインプラントは
長期的にみるとメリットが高いと考えることもできます。
参考文献:10年経過を想定したKaplan-Meier法では,上顎96.4%,下顎94.0%,全体で94.6%であった.
荒川 光、窪木 拓男、完山 学、園山 亘、小島 俊司、矢谷 博文、植野 高章、高木 慎、菅原 利夫、真野 隆充、松村 智弘(2002年3月)
「口腔インプラントの生存に関する疫学調査」
治療の期間が長い
インプラントはブリッジや入れ歯の治療の期間と比べると、
治療期間が数ヶ月かかります。
・骨が十分にある場合は約4〜5ヶ月
・骨が少ない場合は約7〜13ヶ月ほど、かかります。
インプラント本体とあごの骨がくっ付くのに時間が必要だからです。
通院の回数は、手術の日以外に抜歯や経過の診察などで一般的に4〜7回ほどになります。
治療期間の目安
- インプラント:上あごで5ヶ月 / 下あご3ヶ月ほど
(あごの骨が少ない方は、3〜9ヶ月程、のびることがあります) - ブリッジ:約2週間
- 入れ歯:約1ヶ月〜2ヶ月
治療の期間はかかりますが、
固いものが噛みにくい入れ歯やブリッジと比べると、天然の歯と同様に
自立しているためしっかりと噛むことができます。
ブリッジは、ほぼ天然の歯と同様に噛むことができるのですが、
過度な負担は耐えることができません。
噛む力で考えるとインプラントが一番優れています。
手術しないといけない
インプラントは、手術が必要です。
手術や痛みへの不安や恐怖心が強い方は、
できるだけ避けたい治療方法かもしれません。
しかしインプラントの手術は、入院や全身麻酔は必要ありません。
手術中は、一般的な歯科の麻酔で手術が可能です。
(当院では、ご希望で眠っている間に手術が終わる静脈内鎮静法もご用意しています)
▶︎ 無痛治療について
インプラントの痛みは、親知らずの抜歯と比べるとどうでしょうか?
親知らずは、半分、歯茎に埋まって斜めから生えているなど複雑な場合によっては、
長時間かかり、つらい思いをする場合もあります。
また抜歯のあと、大なり小なり2〜3日は、腫れや痛みが続き、長引く時は約1週間ほど長引くケースもあります。
インプラントの手術は、埋め込む時間は15分〜20分程度、
1歯あたりの手術時間は90分前後です。痛みや腫れは通常、2、3日は生じる場合がありますが、鎮痛剤や炎症どめで対処できる程度です。
インプラントの手術は歯茎に埋まっている奥歯の抜歯よりも、小規模です。
手術を行う前に3DのCTやマイクロスコープなどで精密な検査が可能で信頼できる歯科医師のもとで治療されるのがおすすめです。
治療後はメンテナンスが必要
インプラントの治療後は、チェックとメンテナンスは定期的に必要です。
インプラントは虫歯にはなりませんが、
他の歯と同様に「歯周病(インプラント周囲炎)」になります。
歯周病で歯を失ってしまうように、インプラント周囲炎で、インプラントが抜け落ちしまうこと(喪失)もあり得ます。人工物であるインプラントは神経が通っていません。自覚症状を感じにくいため、気付かない場合もあるので、必ず定期検診が必要です。
インプラントの定着具合や部品の点検、噛み合わせの調整、歯周病の検査や掃除を行います。インプラントを長くお使いいただくためには、この定期的なメンテナンスがとても大切です。

ただし、
ブリッジや入れ歯であればメンテナンスが必要ないのかというとそうではありません。
どちらの治療とも、歯の間や被せ物との間に歯垢はたまりやすく、正しい歯みがきを行っていないと、虫歯になったり、歯周病になったりします。お家での正しい歯磨きと歯科の検診が、インプラントと同じく必要です。
インプラントのメリット
自分の歯のようにしっかり噛める
骨から固定されているので、
ご自分の歯のように違和感なくしっかり噛むことができます。
隣接する健康な歯に負担をかけない
入れ歯は、両側の隣の歯に、金具でとめています。
ブリッジは、両側の隣の歯を削り、被せ物(人工の歯)でつなぎ覆っています。
本来関係のなかった健康な歯は削られることによって弱くなり
寿命が短くなったりします。
インプラントは、隣の歯を削ることなく、残っている健康な歯に負担をかけません。
天然の歯のような綺麗な歯に回復できる
入れ歯は、
クラスプと呼ばれる金具を隣接する歯に掛けてとめます。
笑った時に金具が見え、ストレスを感じる方も少なくありません。
ブリッジの場合は、
保険適用の場合は金属やプラスチックの人工の歯になるので、
隣の歯と違和感が生じたりします。
他の治療方法よりも長持ちしやすい
インプラントはメンテナンスをきちんと行っていれば、
他の治療方法と比べると長くもつと言われています。
治療法別の平均寿命の目安

約10年〜15年以上

約7年〜8年

約4年〜5年
ブリッジも入れ歯も経年劣化の影響で作り直す必要があります。
ブリッジは、接着剤で取り付けているため、劣化で外れたり、
削った歯が虫歯や歯周病になってしまう可能性があります。
新たなブリッジを作り、入れ直して再治療、
もしくは
既に土台の歯が長持ちしそうもない場合は、
もう一つ隣の歯を土台にすることにもなりかねません。
プラスチックの入れ歯は、すり減ってしまったり、吸水性があるため、
変形や着色、汚れもつきやすいです。
入れ歯は、汚れがたまりやすいので、歯石がたまってくると
入れ歯が変形して合わなくなってきたり、
まわりの歯が虫歯になりやすく、抜けてしまい、残っている歯の形が代わり
また新たな入れ歯を作り直さなければならなかったりします。
入れ歯のような取り外しが不要
入れ歯のお悩みの一つは、食事のあとや就寝時に取り外して、お手入れをしなければならないことです。
インプラントの場合は歯がない状態を見られてたらどうしようという不安がありません。インプラント治療するまでは、旅行に行きたくなかったけれども、楽しめるようになったと言われる方がたくさんおられます。
あごの骨が痩せるのを防ぐ
天然の歯は歯の根っこが、歯茎そしてあごの骨に埋まっています。
骨の細胞は、噛むことの刺激によって、骨を形成しようとする性質がありますが、歯を失うと、その刺激がなくなり、骨が衰えてしまいます。
ブリッジや入れ歯は、歯を支える土台が骨ではなく隣接する歯です。
土台の骨が痩せてくると、お口全体に影響を及ぼし、健康な歯にも悪影響が出てしまうのです。
インプラントは、歯の根っこの代わりに、インプラント本体を埋め込むため、噛む刺激があごの骨に伝わり、骨が痩せるのを防ぎます。
- インプラントをいれることで、しっかり噛むことができるようになります。
- 食事の制限がなくなるため、健康的な食生活を維持することができます。
- 自信をもって笑うことができる
など、生活の質が高まることが、最も大きなメリットと考えられます。
インプラントの治療を検討するときのポイント
インプラントの最大の特徴は?
インプラントの最大の特徴は、他の歯に負担をかけずに独立していることです。
だからこそ、安定性に優れしっかりと噛むことができ、見た目も自然で天然の歯と変わらない口元にすることができます。耐久性も高いです。
安く早く治療したい方には・・・
・治療期間を短く
・費用をできるだけ安く
・手術したくない
という方には、インプラントの治療が適しているとは言えません。
患者さまのご希望やお口の中の状態によって適した治療は異なります。
他の治療方法や費用のこと、セカンドオピニオンの利用などで様々な方面から検討され、ご自身が納得されて治療を受けられることが重要です。
インプラントは、
治療費用がかかる、治療の期間が長い、他には手術やメンテナンスが必要などのデメリットがありますが、
- しっかり噛みたい
- 見た目や使いやすさに比重をおきたい
と、考えているのであれば、インプラントの治療は選択の1つかもしれません。
インプラントの治療は相談から
インプラントに限らず、どんな治療でもメリット・デメリットがあります。
手術のことなどマイナスのイメージが高いインプラントではありますが、
残っている歯を長持ちさせることができる治療方法です。
インプラントは患者さまの体の一部になる治療です。
デメリットや注意点を理解した上でじっくりと検討していただきたいと思います。