
これまでにも数多くのインプラントopeが行われてきましたが、今回はその中でも特に大きなopeとなりました。
患者様は日頃、宇川歯科・宝塚に通われている81歳の女性の方で、上下ともに総入れ歯をされていました。
その総入れ歯が上下とも動きやすいこと、また、違和感が大きい事にお困りでした。
そこでこれらを解決する手段としてインプラントを利用した治療方法をいくつかご提案させていただいたところ、今回、上顎に6本、下顎に2本のインプラントを埋入することで、上顎は固定式のつながった歯を入れ、下顎は入れ歯を動かないように固定するという方法をお選び頂きました。
ただ、患者様の上顎の骨の幅は非常に薄く、また、高さに至っても上顎洞と言われる副鼻腔との距離が近く、そのままではインプラントを埋入するだけの骨の厚みや高さがとれない状況でした。
そこで今回は上顎においては、サイナスリフトと言われる特殊な手技を用いて副鼻腔の粘膜を持ち上げ、さらにそこに出来たスペースに骨の補填剤を填入することで、インプラントの埋入を可能にしました。
上顎には当日さらに3本の仮歯用のインプラントを埋入しましたので、上下で合計11本のインプラントが埋入されたことになります。
それだけたくさんの本数のインプラントを埋入するわけですから、当然時間も長くなってしまいます。
手術時間は3時間程度ですが、仮歯の作成も含めると6時間ほどかかりました。
しかし、今回は麻酔科の先生がいらっしゃり、静脈内鎮静下でのインプラント手術でしたので、このような長時間でも後で患者様にお聞きすると、1~2時間に感じられて痛みも無くすごく楽だったとのことでした。
患者様は不整脈等の持病があり、当日まで非常に不安がられていたのですが、opeの最中はずっと血圧や脈拍などをモニターしていますので、術中のほうがかえって安心だったのではないでしょうか。
opeは終始順調に進み、患者様の上顎にはこの日を境に入れ歯が無くなり、固定式の仮歯が入る事になりました。
今まで落ちる事を心配して大きく笑えなかった患者様ですが、翌日宇川歯科・宝塚に消毒にいらした際には入れ歯がなくなった爽快感からか自然と笑みがこぼれていらしゃいました。
下顎は現在は今までの入れ歯をお使い頂いていますが、3~4ヶ月で2次手術が可能ですので、そのころにはしっかりと固定した新しい入れ歯でお食事が出来ている事でしょう。
上顎は下顎よりも待ち時間がかかり、約8ヶ月後に2次手術の予定です。
8ヶ月とだけ聞くと長いと思われるかもしれません。
ただ、ともすれば上顎はインプラントの埋入だけで、入れ歯でお帰り頂いていた可能性も十分あるような骨の状態でした。
それが今回当センターでopeをさせて頂いた事により、当日から上顎は入れ歯なしで食事が出来る状態になりました。
そのことは患者様にも非常に満足していただいており、この8ヶ月という期間ではありますが、最終の歯が入ることを、より楽に待っていただけるものと思っています。