先日、テレビにも出演されている脳科学者の澤口俊之先生の講演を聴いてきました。
かみ合わせを是正すると、うつ症状が改善するという報告があり、
かみ合わせが脳に及ぼす影響について研究されていますです。
まず脳は血管だらけであり、脳は全血液の20%ほどが流れています。
かみ合わせを是正する前後でMRIで調査すると、かみ合わせ是正後に脳の前頭前野の血液量が増加していることがわかったのです。
前頭前野は、脳の総合センター(監督役)で心と身体の健康に深く関係しています。
前頭前野で最も重要な機能がワーキングメモリです。
あまり聞き覚えがないですが、ワーキングメモリとは、思考や計画、決断などの認知機能の最も重要な機能です。勉強や仕事など実生活に深く関わっています。
また通常の老化や認知症でワーキングメモリが大きく低下します。
脳は、20歳をピークに老化していきます。
特に最も早く老化するのが、前頭前野なのです。
かみ合わせを是正する前後でMRIを用いて調べると、
前頭前野への血流量が安静時に増加することが明らかになりました。
さらにワーキングメモリを使う際に、より少ない脳領域で効率的に活動することがわかり、ワーキングメモリ能力の向上を認めました。
最近の研究で、若者と高齢者が同じレベルの認知機能を発揮する際、若者の方が使用する脳領域が少ないことがわかっています。
つまり、かみ合わせを是正することで、
脳を効率化させ若返らせる効果があるということです。
■うつ病と前頭前野とかみ合わせ
うつ病の方では、前頭前野の血流が非常に低下していることがわかっています。
また、うつ症状をはじめとする精神疾患では、脳の非効率的な活動が起きています。
つまりかみ合わせを是正することで
前頭前野の血流が増加し、脳の効率化がおきるので、
うつ症状をはじめとする精神疾患が改善する可能性があるということです。
■免疫とかみ合わせの関係
かみ合わせを是正すると、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)活性が
長期的に増加するという報告があがっています。
NK細胞とは、ウイルスや細胞の悪性化によって体内に異常な細胞が現れた時に、
瞬時にそれらを攻撃する防御機構になっています。
非常に重要な免疫細胞なのです。
通常NK細胞は、20歳をピークに徐々に減少していきます。
このようにかみ合わせを是正することで、
脳の若返りや心身の健康に寄与することがわかってきています。